ゼロから始める犬のしつけ!これだけは知っておきたい基本と成功の秘訣【初心者向け】

【初心者向け】
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犬を家族に迎えることは、喜びと同時に大きな責任をともないます。特に初めて犬を飼う方にとっては、「何から始めたらいいの?」「どうやって教えたらいいの?」と不安に感じることも多いでしょう。今回は、ゼロから始める犬のしつけの基本を、わかりやすく紹介していきます。

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犬のしつけはなぜ必要か?

犬のしつけと聞くと、「厳しく教えるもの」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、しつけの本当の目的は、犬と人が快適に一緒に暮らして良好な関係を築くことです。

  • 犬の安全を守るため
    呼び戻しや待てなどの基本のしつけは、散歩中の事故や脱走などから犬を守るために不可欠です。
  • 人間社会で暮らすルール
    無駄吠えや噛み癖などの問題行動は近隣住民とのトラブルの原因になるだけでなく、犬自身のストレスにもつながります。しつけによって、犬が人間社会のルールを理解し、ストレスなく暮らせるようになります。
  • 犬との絆を深めるため
    しつけは、犬とのコミュニケーションの機会を増やし、信頼関係を築く上で非常に重要です。犬が飼い主の指示を理解し、それに応えることで、お互いの絆が深まります。

しつけは、決して犬を従わせるためのものではなく、犬が安心して快適に暮らせる環境を用意し、飼い主と犬がお互いを尊重し合える関係を築くための大切なプロセスなのです。

しつけを始める前の心構えと準備

しつけを始める前に、いくつか知っておきたい心構えと準備があります。

1 忍耐と一貫性

しつけは、すぐに身につくものではありません。犬の性格や学習能力には個体差があり、同じことでも習得にかかる時間はさまざまです。根気強く、そして常に一貫した態度で接することが重要です。家族で犬のしつけについて話し合い、全員が同じルールで接するようにしましょう。

2 ポジティブ強化の考え方

犬のしつけにおいて最も効果的で、かつ犬にも優しいのが「ポジティブ強化」という考え方です。これは、犬が良い行動をした時にご褒美(おやつ、おもちゃ、褒め言葉)を与え、その行動を増やす方法です。悪い行動を叱るよりも、良い行動を認め、褒めてあげることで、犬は「この行動をすると良いことがある!」と学習し、自ら望ましい行動をするようになります。

3 環境の準備

しつけを始める前に、犬が安心して過ごせる環境を整えましょう。

  • 安全なスペース
    犬が落ち着いて過ごせるクレートやサークルを用意し、そこが犬にとって安全で心地よい場所だと認識させましょう。
  • 必要なグッズ
    首輪、リード、食器、おもちゃ、おやつ、排泄シートなど、基本的な犬用品を揃えておきましょう。
  • 危険なものの排除
    犬が口にしてはいけないもの(薬、洗剤、観葉植物など)は犬の届かない場所に保管しましょう。
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ゼロから始める犬のしつけ これだけは知っておきたい基本

それでは、具体的なしつけの基本に入っていきましょう。

1 トイレトレーニング

子犬を迎え入れたら、まず最初に始めるのがトイレトレーニングです。

  • トイレの場所を決める
    犬が落ち着いて排泄できる場所に、専用のトイレシートを設置します。
  • タイミングを見計らう
    食後、寝起き、遊びの後など、排泄しやすいタイミングで犬をトイレに連れて行きましょう。
  • 成功したら褒める
    トイレシートで排泄ができたら、すぐに「よし!」「えらい!」と褒め、おやつなどのご褒美を与えます。
  • 失敗しても叱らない
    失敗してしまった場合は、黙って片付けましょう。叱ると、犬は排泄すること自体が悪いことだと誤解し、隠れて排泄するようになる可能性があります。

2 ハウストレーニング(クレート・サークル慣れ)

クレートやサークルを犬にとって安心できる場所だと認識させることは、将来的なお留守番や災害時の避難時にも役立ちます。

  • 楽しい場所にする
    最初は、クレートの中に犬が好きな、おもちゃ、おやつを入れて犬が自分から中に入るようにうながします。
  • 短時間からならす
    最初は数分間だけ中に入れ、徐々に時間を伸ばして行きます。
  • 扉を閉める練習
    犬が中で落ち着いていられるようになったら、短時間だけ扉を閉めてみます。
  • 成功したら褒める
    中で静かにしていられたら、扉を開けて褒めてあげましょう。

3 甘噛み対策

子犬の甘噛みは自然な行動ですが、放置するとエスカレートする可能性があります。

  • 噛んでいいものと悪いものを教える
    噛んでも良いおもちゃを与え、それ以外は噛んではいけないことを教えます。
  • 噛まれたらすぐに遊びを中断する
    飼い主さんの手や服を噛んだら、「痛い!」と短く叫び、遊びを中断してその場を離れます。犬は、「噛むと楽しいことが終わる」と学習します。
  • 他のものに誘導する
    噛もうとしたら、すぐにおもちゃを差し出して、そちらに興味を向けさせましょう。

4 無駄吠え対策

無駄吠えは、犬が何かを要求していたり、不安を感じていたりする場合が多いです。

  • 原因を探る
    なぜ吠えているのか、その原因(空腹、退屈、要求、分離不安など)を探りましょう。
  • 要求に応えない
    吠えることで要求が通ると学習させないように、吠えている間は無視します。
  • 適切な発散をうながす
    散歩や遊びの時間を十分にとり、エネルギーを発散させましょう。
  • 「静かに」を教える
    吠え始めたら、「静かに」指示し、吠えやんだら褒めてご褒美を与えます。

5 基本的な指示語(おすわり、待て、おいで)

これらの基本的な指示語は、犬とのコミュニケーションの土台となります。

  • おすわり
    犬の鼻先におやつを近づけ、ゆっくり頭の上に移動させると、自然にお尻が床につきます。お尻がついたら「おすわり」と言い、褒めてご褒美を与えます。
  • 待て
    犬におすわりをさせた後、おやつを手のひらで見せながら「待て」と言い、少しずつ距離を離します。犬がその場にとどまっていられたら褒めてご褒美を与えます。
  • おいで(呼び戻し)
    犬と少し離れた場所から「おいで」と明るい声で呼び、犬が来たら大いに褒めてご褒美を与えます。常にポジティブな経験と結びつけることが重要です。

これらの指示語は、短い時間で集中して教え、成功体験を積み重ねることが大切です。

しつけの成功の秘訣と注意点

  1. 叱るのではなく、褒めて伸ばす
    犬は、飼い主さんが望んでいるのかを理解するのに時間がかかります。失敗した時に叱るのではなく、正しくできた時に大いに褒めてあげることで、犬は自信を持って行動するようになります。
  2. 短時間集中で楽しく
    犬の集中力は長く続きません。しつけは1回5〜10分程度の短い時間で、毎日楽しく行うことが大切です。無理強いはせず、犬が飽きる前に切り上げましょう。
  3. 家族全員で協力する
    家族でルールを統一い、全員が同じ方法でしつけを行うことが非常に重要です。一貫性がない指示は、犬を混乱させてしまいます。
  4. 焦らない
    しつけは時間がかかるものと捉え、すぐに結果が出なくても焦らず、犬の成長を見守りながら、気長に取り組むことが大切です。
  5. 専門家の力を借りることも大切
    もしも自分でのしつけに限界を感じたり、問題行動がエスカレートするようであれば、ドッグトレーナ(犬の行動療法士)や獣医などの専門家に相談することも有効です。早めに相談することで、問題が深刻化するのを防ぐことができます。
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まとめ

犬のしつけは、単に犬に芸を教えることではありません。犬が安全に、そして安心して人間社会で暮らせるためのルールを教え、飼い主との信頼関係を築くための大切なプロセスです。

ご紹介した基本的なしつけは、愛犬との幸せな共同生活を送るための第一歩です。焦らず、根気強く、そして何よりも愛情を持って接することで、きっと愛犬との絆は深まり、かけがえのないパートナーとなるでしょう。

この記事が、これから犬を飼い始める方、しつけに悩んでいる方の助けになれば幸いです。長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

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