犬の「吠える理由」と「吠え癖」についての解説・紹介と知っておきたい「吠えるのをやめさせる」方法

【しつけ・トレーニング】
写真提供:Adobe Stock

犬「ワン!ワン!」
私「やめなさい!」
犬「ワン!ワン!ワン!」
私「こらー!!」

愛犬とのこのやりとり一生ありますよね?あれ?私だけ?
ということで今回は犬の「吠える」理由や「吠えるのをやめさせる」方法を紹介していきます。

実際、「どうして吠えるの?」「ご近所迷惑になってないかな…」など愛犬が吠えると困るタイミングどうしてもあります。ですが、犬が吠えるのには必ず理由があります。そして、その理由を理解し、適切に対応すれば、過剰な吠え(吠え癖)は改善できることが多いのです。

この記事では、犬の吠える主な理由と、吠え癖への基本的な対処法を、わかりやすく解説していきます。

なぜ犬は吠えるの?〜犬からのメッセージ〜

まず知っておきたいのは、犬にとって吠えることは、人間が話すのと同じコミニュケーション手段の一つだという事です。無理にやめさせるのではなく、「何を伝えようとしているのかな?」と考えてみましょう。

犬が吠える主な理由は、主に以下のものが挙げられます。
  • 「警戒・警告」
    インターホンや家の外の物音、来客や見知らぬ人や動物が近づいてきた時に、「怪しい音がする!」「誰か来たぞ!」「縄張りに誰か入ってきた!」と警戒や警告して吠える事があります。特徴として普段より低めの声で、連続して吠える事が多いです。
  • 「興奮・喜び」
    飼い主さんの帰宅時や散歩の前、遊びに誘う時など、「嬉しい!」「遊ぼう!」「早く行こう!」など興奮や喜んでいる時に普段より高めの声で、しっぽを振ったり飛び跳ねたり全身を使って吠える事が多いです。
  • 「要求」
    ご飯が欲しい時やおやつが欲しい時、散歩に行きたい時や注目してほしい時など、「お腹すいた!」「遊んで!」「こっち見て!」と飼い主さんを見ながら特定の目的を持って吠える事があります。これには過去に吠えて欲求が通った経験があるなどの理由があげられます。
  • 「不安・恐怖」
    雷や花火などの大きな音、留守番中、見知らぬ場所、怖い経験をした時など「怖いよ!」「ひとりにしないで!」「不安だよ…」と不安や恐怖を感じている時に高い声で鳴き続けたり、震えたり隠れたりしながら吠えることもあるようです。
  • 「退屈・ストレス」
    運動不足や遊び足りない、また長時間ケージに入れられている時など「つまらないなぁ…」「エネルギーが余ってるよ!」と単調な声で吠え続けたり、他の問題行動(ものを壊すなど)したりすることもあるようです。
  • 「体の不調」
    体のどこかに痛みや不快感がある時「痛いよ…」「そこは触らないで!」といつもと違う鳴き声、特定の状況(普段は吠えないや鳴かない部分を触るなど)で痛がる様子を見せるなど。急に吠えるようになった場合は、病気や怪我の可能性も考え、動物病院を受診しましょう。

犬が吠える時の、状況や気持ち、特徴などいくつか解説してみました。「警戒・警告」のようにインターホンや突然の来客などはよく見られるのではないでしょうか?

写真提供:Adobe Stock

「吠え癖」とは?「吠え癖」になってしまうのはなぜ?

先ほどあげた吠える理由は、犬にとって自然な行動ですが、これが過剰になったり、吠える「時間」「場所」「場面」に関係なくとにかく吠え続けたりすると、「吠え癖」として飼い主さんや周囲の人を困らせることになります。

吠えの原因は様々ですが
  • 要求吠えが学習されてしまった(吠えたら良い事があった)
  • 警戒心が強すぎる
  • 社会化不足(子犬の頃に色々な人、物、音に慣れていない)
  • 運動不足や刺激不足によるストレス
  • 分離不安などの精神的な問題

などが考えられます。

初心者の方でもできる!吠え癖への対処法6つのステップ

最初に伝えますが、「吠え癖」の改善には根気と一貫性が必要です。すぐに改善できる子もいるかもしれませんが、時間のかかる子がほとんどだと思います。ここからは基本的な対処法を6つのステップで紹介していきます。

【ステップ1】まずは「なぜ吠えているのか」原因を探ってみよう!

まずは、どんな時に何に対して吠えているのかをよく観察しましょう。原因が分かれば、的確な対策が立てやすくなります。

【ステップ2】原因に応じた対策を行おう!

  • 「警戒吠えの場合」
    ・外が見えないようにカーテンを閉める、窓に目隠しシートを貼る。
    ・インターホンや物音に慣れさせる練習をする(音を小さく鳴らして、吠えなかったら褒める、など)。
    ・来客に慣れさせる(最初は短時間から、おやつを使ったりしてポジティブな経験をさせる)。
  • 要求吠えの場合」
    吠えている間は、要求に応えない・無視する。吠えやんだ瞬間に褒めて要求に応える(例・静かになったら「おすわり」させてご飯やおやつをあげる)。
    ・「おすわり」「待て」などの基本的なしつけで、落ち着かせることを教える。
  • 「興奮・喜びの場合」
    ・飼い主さんが落ち着いて対応する(帰宅時に大げさにかまわない)。
    ・「おすわり」「待て」をさせてから、遊びや散歩を始める。
  • 「不安・恐怖の場合」
    ・安心できる場所(クレートやベッドなど)を用意する。
    ・雷や花火が怖い場合は、音が聞こえにくい部屋に移動させたり、音楽をかけたりする。
    ・留守番が苦手な、場合は少しずつ慣らす練習をする(短い時間から始め、必ず戻ってくることを教える)重度の場合は専門家(獣医師やトレーナー)に相談も検討したほうがいいでしょう。
  • 「退屈・ストレスの場合」
    ・散歩の時間を増やしたり、コースを変えたりする。
    ・室内でもノーズワーク(おやつ探しゲーム)や知育トイ(頭を使って遊ぶおもちゃ)などで頭を使わせる。
    ・コミニュケーションの時間を増やす。

【ステップ3】吠えなかった時、静かにできた時にしっかり褒めよう!

犬は褒められることで「正しい行動」を学習します。吠えるのをやめた時、静かにしてほしい場面で吠えなかった時に、たくさん褒めてあげましょう。「おすわり」「待て」のような「静かに」などのコマンドを教えるのも有効です。

【ステップ4】叱るのではなく、正しい行動を教えよう!

吠えている時には大きな声で叱ると、犬は「飼い主さんも一緒に吠えている(興奮している)」と勘違いしたり、恐怖心を強めてしまったりする事があります。叱るのではなく、「どうすれば良いか」を教えることに焦点を当てましょう。

【ステップ5】根気強く、一貫した対応をしよう!

吠え癖の改善には時間がかかることです。焦らずにじっくりと向き合いましょう。家族全員で対応方法を共有し、全員で同じ対応し根気強く続けることが大切です。

【ステップ6】困ったら専門家に相談しよう!

どうしても改善が見られない場合や、原因が特定できな場合、攻撃的な吠え(噛みそう)が見られる場合は、一人で悩んだり無理せずにドッグトレーナ(犬の行動療法士)や獣医師に相談しましょう。

写真提供:Adobe Stock

まとめ

犬の吠えは、私たちへの大切なメッセージです。なぜ吠えているのかを理解しようと務める事が、問題解決の第一歩となります。原因を探るためにも普段から愛犬をよく観察しましょう。

吠え癖に悩んだ時は、叱るのではなく、原因を探り、適切な環境としつけ、そして十分な愛情とコミニュケーションで、愛犬とのより良い関係を築いていきましょう。焦らず、愛犬のペースに合わせて、一緒に学んでいく事が大切です。今回の紹介、解説が何かの役立てたら幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました