犬のひげ、切る?切らない?犬にとっての「ひげ」の役割についてのご紹介

【初心者向け】
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愛犬との暮らしの中で、ふと目につく「ひげ」。ひっぱりたくなりますよね!人間にとってはただの毛ですが、犬にとってヒゲは非常に重要な感覚器官であることをご存知でしょうか?

「ちょっと邪魔そうだから切ってしまおうかな?」なんて思ったことはありませんか?「ちょっと待ったぁぁぁ!」です!

実は、犬のひげを切ることは、愛犬の健康と安全を脅かす行為になりかねません。今回は犬のひげが持つ驚くべき役割と、なぜ切ってはいけないのかをご紹介します。

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犬のひげってどんなもの?

犬のひげは、「触毛(しょくもう)」と呼ばれ、通常の体毛と根元的に異なる構造を持っています。触毛の根元は皮膚の深部に位置し、そこには多くの神経や血管が集中しています。そのため、ヒゲのさきがわずかに触れたり、空気の振動を感知したりするだけで、犬は周囲の状況を敏感に察知できるのです。

特に、口の周りや目の上、顎の下などに生えている、太くて硬い毛が主なひげです。ではこのひげが具体的にどのような役割があるのでしょうか?

1.暗闇での「目」となるセンサー

犬の視力は、人間ほどよくありません。特に暗い場所では、物の輪郭をはっきりと見ることが苦手です。そんな時、ひげが役立ちます。ひげは、細い空気の流れや、物体への接触を感知することで、障害物の位置を把握するセンサーのような役割をします。まるで、暗闇で手探りするように、ひげが周囲の情報をキャッチし、愛犬が安全い移動するのを助けてくれるのです。

2.狭い場所での「幅」を測るメジャー

犬が狭い場所を通り抜けようとする時、ひげは自分の体の幅を測るメジャーのような役割もあります。ひげの長さは、犬の顔の幅くらいまで伸びます。ひげが障害物に触れることで、「この場所は通れるかな?」と判断する目安になるのです。

3.感情表現の一部にもなる

犬のひげは、意外にも感情表現にも関与していると言われています。リラックスしている時はひげが垂れ下がっていたり、警戒している時や興奮している時はピンと張っていたりすることがあります。ひげの動きを見ることで、愛犬の気持ちを読み取るヒントになることもあります。

「切っても大丈夫」は健康な成犬の場合?

ひげが持つ重要な役割を考えると、「切らない方がいい」ということになりがちです。しかし一部の専門家や飼い主さんの間では、健康な成犬であれば、飼い主さんの判断でヒゲを切ることも可能であるとの見方もあります。

この背景には、以下のような理由があります。

  • 適応能力の高さ
    健康な成犬は、ひげがなくなっても他の感覚(嗅覚や聴覚など)を使い、環境に適応する能力が高いとされています。
  • 家庭での生活環境
    室内の犬や、常に飼い主さんのが見ている環境にある犬は、野生の犬のようにひげを頼りに生存競争をする必要がないため、ひげの有無による影響が少ないと考えることもできます。
  • 美容目的
    ドッグショーに出る犬や、飼い主さんによる見た目を整えるためにヒゲをトリミングすることが一般的です。

ただし、これはあくまで健康な成犬の場合であり、以下のような犬にはひげを切らない方が良いとされています。

  • 子犬
    まだ体が未発達で、環境への適応能力が低い子犬は、ひげに頼って周囲を学習するため、切らない方が良いでしょう。
  • シニア犬
    視力や聴力が衰え始めるシニア犬にとって、ひげは重要な補助的な感覚機関となります。切ってしまうと、生活の質が低下する可能性があります。
  • 視覚や聴覚に障害のある犬
    元々視覚や聴覚に頼れない犬は、ひげに大きく依存して生活しています。切ることは、犬の生活に著しい支障をきたすことになります。
  • 怖がりな犬、新しい環境に慣れにくい犬
    ひげを失うことで不安が増し、ストレスを感じやすい犬もいます。
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まとめ.愛犬の「ひげ」は飼い主さんの判断と責任

犬のひげは、愛犬が安全に、そして快適に暮らすための大切な感覚器官です。暗闇や狭い場所、感情表現の一部として、さまざまな役割があります。

子犬やシニア犬、視覚や聴覚に障害のある犬の場合、ひげは非常に重要なため、切らないことを強くおすすめします。

一方、健康な成犬であれば飼い主さんの判断でひげを切ることも可能です。しかし、その際は愛犬の性格や生活環境を十分に考慮し、切った後の愛犬の様子を注意深く観察するようにしましょう。

今回は犬のひげについてご紹介しました。まさか、ひげが愛犬にとってこんなに重要な役割があったなんてと「ただ可愛い」だけじゃなかった…など驚かれている方もいるのではないでしょうか?

そんな方に犬のひげについて知っていただけたなら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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