犬の「目」と「口元」でわかるきもちと「カーミングシグナル入門」【初者向け】

【初心者向け】
写真提供:Adobe Stock

今回は犬の「目」と「口元」について紹介します。ウルウルとした目で見つめられるだけでたまらないのに、口角が上がってまるで笑っているように見える口元を見せてくれて、こちらまで笑顔になる。そんな毎日をお過ごしのことと思います。

この「目」と「口元」から読み取れる「きもち」があることをご存知ですか?
この記事を読んで、「うちの子、今何を考えているのかな?」「喜んでいるのかな?嫌がっているのかな?」と飼い主さんの悩みを少しでも解消し、愛犬とのコミニュケーションが今よりもっといいものになればいいなと思います。

犬「目」が伝えている色々なきもち

まずは犬の「目」が伝えているきもちを紹介します。「目は口ほどに物を言う」ということわざがありますが、これは犬にも当てはまるのではないでしょうか。

  • 「キラキラ輝く目」
    嬉しい、早く遊びたい、何かもらえるかな?と期待している時によくみられます。瞳孔が少し開いていることもあります。
  • 「ウルウルとした目」
    甘えたいな、撫でて欲しいな、かまってほしいな、と飼い主さんに何かを訴えかけている時があります。ただし、病気で、目に何か異常がある場合もあるので、愛犬の様子をよく観察しましょう。
  • 「大きく見開いた目」
    警戒している、何かに驚いているや不安を感じているサインかもしれません。体の動きが止まって、じっと一点を見つめている事が多いです。
  • 「細められた目」
    リラックスしていたり、眠たい、あるいは眩しいと感じている時です。穏やかな気持ちを表している事が多いです。
  • 「視線を合わせない・そらす」
    飼い主さんや相手に対して緊張している時や「敵意はありませんよ」と服従している、あるいはプレッシャーに感じている場合があります。
  • 「一点をじっと見つめる」
    おやつやおもちゃ、または飼い主さんの手など、何か特定の対象に集中している時です。「あれが欲しい!」「早く遊んで!」と要求していることも。
  • 「白目が見える」
    これには注意が必要です!瞳は正面を向いているのに、目のフチにそって白目の部分がたくさん見えている状態です。強いストレス、不安、緊張に感じているサインであり、これ以上追い詰められると威嚇や攻撃につながる可能性があります。このサインが見られたら、その状況から犬を解放してあげる事が大切です。

いかがでしょうか?愛犬との生活の中で「キラキラ輝く目」「ウルウルとした目」「細められた目」「視線を合わせない・そらす」などよく見かけますね。

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犬の「口元」が伝えているきもち

口元にも犬の気持ちを知るための大切な手がかりが隠されています。

  • 「口角が上がっている」
    リラックスしていて、満足してる状態を表している事が多いです。穏やかな表情に見えますね。ただし舌を出してハァハァしているパンティングとの区別も大切です。
  • 「口角が引き締まっている」
    緊張していたり、何か不満があるや少し身構えているサインかもしれません。何か気に入らない事がある時に見られる事があります。
  • 「パンティング(下を出してハァハァする)」
    体温調節のために行う生理的な行動でが、暑い時以外にも、興奮している時や、強い不安やストレスを感じている時に見られます。前後の状況や他の体のサインと合わせて判断しましょう。
  • 「舌をペロペロする(リップリック)」
    鼻や口の周りをペロペロと舐める行為です。これは「カーミングシグナル」の一つとして知られており、軽い緊張を感じている時や、相手をなだめようとしている時に見られます。「私は争うつもりはありませんよ」「落ち着きましょう」と自分や相手に言い聞かせているような行動です。
  • 「あくび」
    眠い時にするだけでなく、実はこれも「カーミングシグナル」の一つです。緊張やストレスを感じている時に、自分を落ち着かせるためにあくびをする事があります。
  • 「歯を見せる、うなる」
    明らかな威嚇のサインです。「これ以上近づかないで!」「やめて!」と強く訴えています。このサインが見られたら、それ以上かまうのをいったんやめて、落ち着くまでほっとくと良いでしょう。飼い主さんの(噛まれたりしないように)安全のためにも重要です。

「舌をペロペロする(リップリック)」「あくび」などの事を初めて知る方もいたのではないでしょうか?ただ口元をペロペロとキレイにしているだけではなかったり、ねむいからあくびをしているのではなくストレスを感じていたりする事があるようですね。

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「カーミングシグナル」について

今回紹介した「口元」の中にリップリックやあくびなどは「カーミングシグナル」と呼ばれるものの一部です。カーミングシグナルとは、犬が不安やストレスを感じていたり、自分や相手を落ち着かせるために行います。または飼い主さんや相手との関係を円滑しようとしている時に見られ、生まれつき持っている行動やボディランゲージのことです。

今回紹介したサインの他にも「顔をそらす」「ゆっくり動く」「床の匂いを嗅ぐフリをする」など色々なものがあります。カーミングシグナルを知っていると、愛犬がストレスを感じているサインに早く気づいて対応してあげる事ができますね。興味があればぜひ調べてみるのも良いでしょう。

「目」や「口元」だけで何かを判断しない

今回紹介した「目」や「口元」の状態だけで何か判断するのはやめましょう。例えば、口角が上がっていて一見リラックスしているように見えても、しっぽがピンと固まっていたり、体がこわばっていたりする場合は、実は緊張を隠しているのかもしれません。ですので、耳の向き、しっぽの動き、体の姿勢など全身のサインと組み合わせて観察することが大切です。

あなたの愛犬が、紹介した内容と同じ反応を見せるとは限りません。犬それぞれの「個性」は一匹一匹違うということを理解し、何より大切なのは、あなたの愛犬の「普段の様子」を知っておく事です。普段からどんな時にどんな表情をするかを観察することで、いつもと違う様子の変化に気づきやすくなります。

まとめ

犬のコミニュケーションは、知れば知るほどおもしろいものですね。
まずは、あなたの愛犬のキラキラした目、ペロペロする舌、ギュッと引き締まった口元などを観察してみてください。今まで気づかなかった愛犬の気持ちがたくさん見えてくるはずです。
そして今回のこの紹介が気づくきっかけになったら幸いです。

もし「この行動はどういう意味?」「うちの子、なんだかいつもと違う気がする…」など、判断に迷ったり心配な事があったりする場合は、一人で抱え込まずに、獣医さんや犬の行動療法士やドッグトレーナさんといった専門家に相談することも大切ですよ。

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