犬の行動には理由がある!行動学の超基本【初心者向け】

【初心者向け】
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「うちの子、どうしてこんなことするんだろう?」と思ったり悩んだりしたことはありませんか?ありますよね!
犬の行動には必ず「理由」があります。それを理解することで、愛犬とのコミニュケーションに役立てたり、問題行動の改善にもつながります。

今回は超基本的な犬の行動を紹介しようと思います。

犬の行動学って?

行動学とは、動物の行動を科学的に研究する学問の事です。犬の行動学は、犬がなぜ特定の行動をするのか、その背景にある心理や生理的な要因を探ります。

「理由がある」とは
  • 本能的行動
    犬として生まれ持った行動の事です。吠える、噛む、掘るなどがこれにあたります。
  • 学習行動
    経験によって身につけた行動の事です。例えば、おやつがもらえるからお座りする、叱られたからイタズラをやめる、といったものです。
  • 生理的要因
    体調やホルモンバランスなども行動に影響します。病気で元気がない、発情期で落ち着かないといったケースですね。
  • 環境要因
    周囲の状況や、住んでいる環境も犬の行動に大きく関わります。雷の音に怖がる、知らない人に警戒するといった反応です。

犬がとる行動に対して代表的な理由や影響だけでもこれだけあります。
ですが、逆に、これだけでも押さえておけば少しずつ愛犬の事がわかってくるかもしれません。

例えば、無駄吠えに悩んでいる方がいたとして、「吠えるのをやめさせるためにおやつをあげた」とします、犬にとっては「吠えたら、おやつがもらえた」と経験することが、学習行動になってしまって結果的に無駄吠えを飼い主さんが招いてしまっている可能性があります。

また、例にあげた無駄吠えをやめさせるには時間がかかります。対策としては犬が吠えても「反応をしない(無視など)」や「吠えなくなった瞬間におやつをあげる」などがありますが、すぐには効果が現れないのがほとんどだと思います。

そして、愛犬に吠え癖のない方は、「吠えたらおやつをあげない」「吠えても反応しない」を最初から徹底しておく事で、愛犬の吠え癖への学習行動を防ぐ事ができますね。

もし、早急に無駄吠えをやめさせたい状況にいる飼い主さんがいらっしゃるのなら、一人や家族で悩むのではなく専門家(犬の行動療法士)に相談することをおすすめします。

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犬の主なコミニュケーション方法

犬は言葉こそ話せませんが、さまざまな方法で私たちにサインを送っています。

ボディーランゲージ
  • 口元
    リラックス、緊張、威嚇など。
    口角が緩む、歯を見せる、あくびなどもサインです。

  • 興奮、不安、警戒、愛情など。
    アイコンタクトを取る、目をそらす、白目が見えるといった表情に注目しましょう。

  • 警戒、リラックス、恐怖など。
    耳をピンと立てる、後ろに倒す、横に開くといった動きで感情を示します。
  • 体の姿勢
    リラックス、緊張、遊び、服従など。
    重心を前にする、体を低くする、お腹を見せるなどの姿勢で気持ちを伝えます。
  • しっぽ
    喜び、興奮、不安、服従など。
    しっぽの位置や振り方で感情を表します。高く振る、低く垂らす、股の間に巻き込むなどで意味が変わります。
  • 声(吠え方や唸り声)
    吠え方だけでも、要求、警戒、遊び、痛みなど、色々な意味があります。また唸り声は「やめてほしい」「近づかないで」と警告していることが多いです。
  • 匂い
    マーキング、情報収集など。犬にとってとても重要なコミニュケーションツールです。

犬がサインに使う部位などをザックリとあげました。私のブログでは「しっぽ」や「耳」など今回より詳しく紹介しているものもありますので気になる方は読んでいただければ幸いです。

いろいろなものに触れてもらおう

犬の行動を理解する上で、社会化は非常に重要な要素です。社会化とは、子犬のうちに様々な人、犬、環境、音などに慣れさせることです。そして「ウチの子はもう成犬だから」と諦めるのではなく、いろいろなものに触れてもらいましょう。

なぜ社会化が大切なの?

社会化が不足すると、知らない人や犬、初めての場所、大きな音などに対して過度な恐怖心や警戒心を抱きやすくなります。これが原因で、吠えたり、唸ったり、噛みついたりといった問題行動につながることが少なくありません。逆に、しっかりと社会化された犬は、どんな環境にも適応しやすく、ストレスを感じにくい穏やかな性格に育ちます。

幼少期の社会化期について紹介している記事も読んで頂ければ嬉しいです。

また、社会化期を過ぎてしまった成犬でも、時間はかかりますが、根気強くしっかりとしたアプローチを行うことで社会性を育てることはできます。すでに持っている経験や性格を考慮しながら慎重に進める必要はありますが、焦らず、愛犬のペースに合わせてゆっくり行いましょう。

もし、飼い主さんを困らせてしまう行動が見られる場合は、無理せず専門家(犬の行動療法士)や獣医師相談してみるのもいいでしょう。専門家から具体的なアドバイスやトレーニングプランを提案してもらいましょう。

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行動を理解して、愛犬との関係を深めるには?

愛犬の行動を理解し、より良い関係をきずくための4つのポイントを紹介します。

  • よく観察する
    「可愛いなぁ」とただ癒されるだけでなく、愛犬がどんな時に、どんな状況で、どんな行動をするのかよく観察しましょう。ノートに記録しても良いかもしれませんね。行動の背景にある感情や意図が見えてくるかもしれません。
  • パターンを見つける
    特定の行動に共通するきっかけがないか考えましょう。例えば、来客時吠えるなら「知らない人への警戒心」が原因かもしれません。
  • 原因を取り除く・改善する
    例えば、吠える原因が「退屈」なら、遊びの時間を増やしたり、知育トイ(頭を使うおもちゃ)などを取り入れたりする。
  • 適切な対応をする
    問題行動をただ叱るだけでなく、良い行動をした時に褒めて伸ばす「陽性強化」を意識しましょう。犬が「こうすれば良いことが起きる」と理解できるようになります。無理強いせず、犬の気持ちを尊重することが大切です。

やはり愛犬のクセやパターンを把握しているのは、毎日一緒に過ごしている飼い主さんです。さらに少し角度を変えて見ることで愛犬への新たな発見があるかもしれませんね。

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まとめ

犬の行動には必ず意味があります。行動の種類を理解し、犬のボディーランゲージや気持ちを知り、その時々の行動を観察することで「なぜ、うちの子はこうするのか?」の疑問への解消につながり「だから、うちの子はそうするんだ!」と少しでもこの記事が愛犬とのコミニュケーションに役立てば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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