愛犬の気持ちがわかるようになる!基本のボディーランゲージ5選(しっぽ・耳・目・口・姿勢)【初者向け】

【初心者向け】
写真提供:Adobe Stock

犬の飼い主さんなら「ウチの子が喋れたらな」と何度も思ったことがありませんか?私も何度も思いますし、これからも思う事があると思います。そんな飼い主さんに5つの基本的な「ボディーランゲージ」を紹介しようと思います。

犬は体全体を使って常に私達に何かを伝えようとしています。そのサインに気づき、正しく理解することは、愛犬との絆を深め、より良い関係を築くために欠かせません。これから犬との生活を始める方や、もっと愛犬のことをもっと知りたいと思っている飼い主さんにとって、ボディーランゲージの基本を知ることはきっと役に立つはずです。

この記事では、愛犬の気持ちを理解するための判断材料になる「しっぽ」「耳」「目」「口」「姿勢」という5つのポイントに絞って、それぞれのボディーランゲージの基本を簡単に紹介します。

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「しっぽ」は感情のバロメータ

犬のしっぽは感情を表す代表的なパーツです。しかし「しっぽを振っている=喜んでいる」と判断していませんか?しっぽの「高さ」「振り方」「動きの速さ」などでいろいろな気持ちを表現してます。

  • 「高く上げて振る」
    自信に満ち溢れ、ポジティブな気持ちを表しています。「嬉しい!」「楽しい!」といった興奮状態ある事が多いです。ただし、ピンを垂直に立てて小刻みに振っている場合は、警戒心や威嚇のサインである可能性もあるため、他の部位の様子も合わせて観察しましょう。
  • 「愛犬の普段の位置で振る」
    リラックスしていて、穏やかな状態です。「普通だよ」「落ち着いているよ」というサインです。
  • 「低く下げて振る」
    不安や緊張、自信のなさを感じています。状況によっては恐怖を感じているサインかも知れません。
  • 「後ろ足の間に巻き込む」
    強い恐怖や服従を表しています。「怖いよ」「降参します」という強いメッセージです。何かに怯えている可能性が高いでしょう。
  • 「振りの速さと幅」
    一般的に、速く大きく振っている場合は強い興奮や喜びを表し、ゆっくり小さく振っている場合は不安や警戒心を示している事があります。

注意点
犬種によっては、元々しっぽが巻いていたり短かったりするため、その犬種のスタンダードな状態と比較して変化を見る事が大切です。

もっと知りたい方はこちらもご覧ください。

「耳」は情報のアンテナと感情のサイン

犬の耳は、音を聞き取るだけでなく、感情を表す上でも重要な役割を果たしています。耳の「向き」「角度」「動き」に注目してみましょう。

  • 「前に向けて立てる」
    何かに興味を持ったり、注意を払ったりしている状態です。「ん?なんだろう?」と集中して情報を集めようとしています。自信や好奇心の表れでもあります。
  • 「横向き、またはリラックスして自然な位置にある」
    落ち着いてリラックスしている状態です。「特に何もないよ」「のんびりしているよ」というサインです。
  • 「後ろに引く、または頭にくっつけるように倒す」
    不安、恐怖、服従を表しています。相手に対して敵意がないことを示そうとしている場合もあります。「怖いよ」「やめてほしいな」と感じているかも知れません。撫でられている時に気持ちよさそうに耳を倒すこともありますが、その場合は表情や体の力が抜けているかで判断できます。
  • 「頻繁に動かす」
    周囲の状況を注意深く探っている状態です。少し警戒していたり、次にどうすべきが考えていたりするかも知れません。「何か気になるな…」とアンテナを張り巡らせています。

注意点
垂れ耳の犬種は耳の動きがわかりにくいですが、耳の付け根の動きや向きの変化を観察することで、感情を読み取るヒントが得られます。

もっと知りたい方はこちらもご覧ください。

「目」心の窓

ことわざに「目は口ほどに物言う」というものがあるように、犬の目も当てはまります。目の「大きさ」「視線」「まばたき」などから、多くの感情を得る事ができます。

  • 「リラックスした目つき」
    優しい表情で、リラックスした気持ちを表しています。「安心しているよ」「大好きだよ」というサインです。飼い主さんをこの目で見つめてくるときは、信頼と愛情の証です。
  • 「目を大きく見開く・一点をじっと見つめる」
    興奮、驚き、警戒心を表しています。何かに強く関心を持っているか、少し緊張している状態です。「わっ!」「気になる!」という感じです。
  • 「目を細める」
    リラックスしている時や、嬉しい時、服従心を表している時に見られます。撫でられて気持ち良い時などにも目を細めます。「気持ちいいな」「敵意はないよ」というサインです。ただし、痛みや不快感がある場合にも目を細める事があるので注意が必要です。
  • 「視線をそらす、横目で見る」
    不安やストレス、不快感を感じているサインです。相手を警戒しつつも、直接的な対立は避けたいと思っています。「ちょっと怖いな」「嫌だな」と感じているサインです。
  • 「まばたきが多い」
    不安やストレスを感じている場合や、相手を落ち着かせようとする「カーミンシグナル」として行う事があります。

「口」リラックスからストレスサインまで

口周りの様子も、犬の気持ちを知る上で重要な手がかりです。

  • 「口角が上がっている」
    リラックスしていて、満足してる状態を表している事が多いです。穏やかな表情に見えますね。ただし舌を出してハァハァしているパンティングとの区別も大切です。
  • 「口角が引き締まっている」
    緊張していたり、何か不満があるや少し身構えているサインかもしれません。何か気に入らない事がある時に見られる事があります。
  • 「パンティング(下を出してハァハァする)」
    体温調節のために行う生理的な行動でが、暑い時以外にも、興奮している時や、強い不安やストレスを感じている時に見られます。前後の状況や他の体のサインと合わせて判断しましょう。
  • 「舌をペロペロする(リップリック)」
    鼻や口の周りをペロペロと舐める行為です。これは「カーミングシグナル」の一つとして知られており、軽い緊張を感じている時や、相手をなだめようとしている時に見られます。「私は争うつもりはありませんよ」「落ち着きましょう」と自分や相手に言い聞かせているような行動です。
  • 「あくび」
    眠い時にするだけでなく、実はこれも「カーミングシグナル」の一つです。緊張やストレスを感じている時に、自分を落ち着かせるためにあくびをする事があります。
  • 「歯を見せる、うなる」
    明らかな威嚇のサインです。「これ以上近づかないで!」「やめて!」と強く訴えています。このサインが見られたら、それ以上かまうのをいったんやめて、落ち着くまでほっとくと良いでしょう。飼い主さんの(噛まれたりしないように)安全のためにも重要です。

こちらで目や口元、カーミングシグナルについて紹介しています。興味のある方はぜひ読んでみてください。

「姿勢」体全体のメッセージ

最後に、体全体の姿勢や動きから読み取れる気持ちを見ていきましょう。これまでのパーツと合わせて総合的に判断する事が大切です。

  • 「リラックスした姿勢」
    体の力が抜け、自然な立ち方や座り方、伏せ方をしています。しっぽや耳も自然な位置にあります。「安心しているよ」「落ち着いているよ」というサインです。
  • 「体を低くする、しゃがむ」
    不安や恐怖、服従心を表しています。相手に対して「私は弱いです」「敵意はありません」と伝えています。しっぽを巻き込んでいる事が多いです。
  • 「体を硬直させる、こわばらせる」
    警戒心や緊張、威嚇のサインです。何かに注目し、次の行動に備えています。しっぽが高く上がり、耳が前を向いている事が多いです。攻撃に移る前のサインである可能性もあります。
  • 「プレイバウ(お辞儀のポーズ)」
    前足を伸ばして伏せ、お尻を高く上げるポーズです。「一緒に遊ぼうよ!」という明確な誘いのサインです。他の犬や人に対してよく見られます。
  • 「お腹を見せる」
    服従や信頼の証です。「降参します」「あなたを信頼しています」というメッセージです。安心してリラックスしている時や、撫でてほしくて甘えている場合もあります。ただし、恐怖を感じて仕方なくお腹を見せている場合もあるので、表情や状態をよく見ましょう。
  • 「背中の毛を逆立たせる」
    興奮、警戒、恐怖、威嚇など、強い感情の高ぶりを表します。必ずしも攻撃性だけを表すわけではありませんが、何らかの強い刺激に反応しているサインです。

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総合的に判断する重要性

ここまで5つのポイントを紹介してきましたが、最も大切なのは、どれか一つのサインだけで判断せず、体全体の様子や状況を総合的に見る事です。

例えば、しっぽを振っていても、耳が後ろに倒れ、体がこわばり、目をそらしているのであれば、それは喜びではなく、不安や恐怖を感じている可能性が高いでしょう。

また、その子の個性や犬種による違い、普段の様子を知っておくことも重要です。普段から耳が寝ている犬種もいれば、しっぽが短い犬種もいます。普段と比べてどう違うか?という視点を持つことで、より細かな変化に気づく事ができます。個性について紹介しているこちらもご覧ください。

ここまで読んでいただきありがとうございます。長くなってしまったのでここでまとめとさせていただきます。今回ご紹介した5つの基本のポイントを意識して愛犬を観察して、これまで見過ごしていたサインや新たな発見に繋がり、愛犬との毎日がもっと豊かになれば幸いです。

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